夢を運ぶ猫

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「……にゃ~お」  俺についてくるよう言っているのだろうか、一度鳴いた後、てとてととどこかへ進む。  俺も無論、それについて行く。  猫というのはなんだかいつも唐突で、どこかおしとやかで、それでいて無邪気で――  それが俺には堪らない。  さてさて、この猫やどこへ行くのやら。  路地裏とは言ったものの、特別長いものでもなく、5分ほど歩けば大通りに出てしまった。 「おいおい、どこに行くんだい?」  そんな質問に応えることもなく、猫はされども自由気ままに歩き続ける。
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