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六十代はやたら体力が余っていて、声の音量を常に間違えている。
三十代は無駄に体力を温存していて、聞き取りづらいほどに声が小さい。
板挟みの五十代手前。
層の分厚い上に行くことは望めず、下からは突き上げられて仕方なく課長になった昭義。
調整役と言われてはいるが、もはや何を調整するのかは見失ってしまった。
世代間の調整は不可能とも言える。
その日の仕事を終えて昭義が会社を出た時には、二十二時を回っていた。
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