帰りたい場所

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路地の奥にぼんやりとした灯り。 古い【めしや】の看板。 本当の店名はわからない。 昭義は、めしやとしか呼んでいなかった。 ごくたまにしか開かない、気まぐれすぎる店なのだが、もう随分前に閉店したはずだった。 景気の悪化と同時に、店主の体調がよくないとも聞いて、それっきりになっていたものだ。 昭義は、灯りに引き寄せられるように、店へと足を運んでいた。
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