帰りたい場所

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「いらっしゃい」 錆びついたような、でも懐かしい優しい声だった。 「親父さん久しぶり!また店始めたんだ。身体大丈夫なんだな」 昭義の声が弾んだ。 店主は、ニヤリとした。 「ピンピンしてるさ。必要な時には開くんだ」 昭義の前にすっと出されたのは、梅干しのお茶漬け。 小さな器に入った漬け物と、熱いほうじ茶だった。
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