帰りたい場所

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「親父さん、これ美味そうだけどさ、昔だったら丼と日本酒出てきたとこだよ。俺、まだまだイケるよ?」 めしやには品書きはない。 客の酒の入り具合や体調を見透かした店主が、勝手に見繕うのだった。 「いいんだよこれで。だいぶくたびれたな?」 「親父さんほどじゃないよ。ふふん、俺だって今は課長だよ。上司も部下も仕事できる人ばかりだ。俺のやることなんてないよ、楽勝!」
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