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村から南に進み森を抜け荒地に出た、しばらく進むと断崖の端にたどり着き
啓太を突き落とした!
ガラガラと音を立て落ちていく啓太を見ながら
「ざまーみろ!お前さえいなければフェルムとまだ可能性があったんだ
死ね!異世界人め!」
暗闇の中で叫ぶレオンの声がこだましていた。
深夜になっても帰らない啓太を心配してフェルムは族長の家に向かった。
リズからの話ではすでに帰ったと聞き入れ違いになったと思い、また家に
引き返したが、やはり啓太の姿は無かった。
もしや荷車に居るのかと見に行ったが何処にも姿がなかった。
そこで警備のレオンに聞いた。
「レオン!啓太様は見なかったか?」
「ん?ああ!あの異世界人か?それなら森に行くと言って出ていったが
まだ帰らないなぁ――」
レオンはとぼけて興味の無いような言い方をした。
「森に?こんな時間にか?どうして止めなかった?」
「いや!すぐ帰ると言っていたからなそのうち戻るんじゃないか?」
フェルムは舌打ちをし、再び族長の家に向かった。
「ババ様!ババ様!啓太様が森に行ったまま帰らないのです!」
「なに!こんな時間に家に帰らずか?」
「はい!どうもおかしいのです、レオンは止めもしなかったようで」
レオンのあっさりした態度に不信を抱いたフェルムは族長に話した。
「ふむ!奴がなにか知っているのは確かなようじゃな、よし、わしが直に聞こう」
族長とフェルムは村の詰所に居るレオンも元に向かった。
「レオン!啓太はなにをしに森に行くと言っていたのだ?」
「さぁ?何もいってませんでしたが背中にバッグを背負っていましたから
何かを取りに行ったんじゃないですか?それともこの村を出て行ったのかも
所詮は異世界人ですよ何をそんなに騒ぐんですか?」
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