ゆめをはむ

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ゆめをはむ

 まっしろなバク。夢食いバク。  どんな人でもぐっすり眠らせてくれる不思議な生き物。  どんなお願いも夢の中で叶えてくれる不思議な生き物。  食べるのは夢。  彼が目覚めたとき、それは夢だったから忘れてしまった。  あの子が目覚めたとき、それは現実になろうとしていたから覚えていた。  悪夢を食べる。夢を食べる。正夢は――現実のひとつ。  そのバクは、今日も誰かの夢を食べている。
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