475人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「ぎゃあああ~!」
聞いたことのないような叫び声が響き渡る。
アルは大丈夫かと心配になりうっすら目を開けると、アルが肩で息をしており、黒い生き物は足元に沈んでいた。
あれが魔物と言うものかしら?
こんな昼間に出てくるものなの?
疑問に思うが取り敢えずアルだわ!
「アル!大丈夫?」
少し遠くにいるアルに駆け寄ろうとした時だ!
背後からまたガサガサと音がする。
振り向きたくない衝動に駆られるが…
アルが慌てた様子で走ってくる。
私はゆっくりと後ろを振り向く。
まるでスローモーションのような感覚がした。
私の後にはやはり先程と形態が一緒の黒い生き物が涎を垂らして向かってくる。
私はその場で足がすくみ頭を抱えてしゃがみこむ。
「いや~!」
と絶叫と共に……
しかしいつまでたっても衝撃は来なかった。
「ブォン!」
おまけに大きな物体が吹き飛ぶ音がする。
アルが?
いやアルはまだ私にたどり着いていない。
横を向くとアルが驚いた顔をしている。
反対を向くと……
黒い生き物は横になっており、その上には白い生き物が乗っかっている?
「ドラゴン!?」
思わず口から出た。
そして……思う。
えっとドラゴンは助けてくれたのかしら?それとも獲物の取り合い?
でも腰が抜けてもう私は動けません!
アルは……警戒しながら私の近くに来てくれた。
ドラゴンをまじまじと見る。
しばらく目が合う。
アレ?このドラゴン……
「アル、私このドラゴン知ってるかも。」
サイズはかなり違うけれど…
「もしかして……あいつなのか?」
アルも気付いたようだ。
「あなたはあのミニドラゴンなの?」
そう言ってみると…
「キュウ~ン」
となんとも可愛い返事が帰ってきました!
最初のコメントを投稿しよう!