480人が本棚に入れています
本棚に追加
「ユーリ、ではその話をする時に私を呼びなさい。きっとその方が殿下の理解もはやいでしょう。」
フィーリーが提案する。
「フィーリーはいいの?妖精は余り人前に現れないんでしょ?」
「今回は特別よ。なるべくあなたが望む形で事が進むよう祈っているわ。」
フィーリーはそう言って消えました。
フィーリーは何を考えているのかしら?
でも……本当にアルやマリー、サリー達と一緒に居られたらいいな。
そしてハクとも……
「ハク、一緒に寝よっか?」
「キュウ~ン」
そう言うとベッドに入って丸まります。
可愛いです。
安心したのか朝までぐっすりでした。
朝は早くに目が覚めました。
ハクとお庭の散歩も出ました。
ハクは翼を広げ空へ向かって飛び出します。そして私の頭上をくるくると回っています。
背後から人の気配がして振り向くと、そこにはアルのお母様がいらっしゃいました。
「おはようございます。お早いですね。」
そう言うとにっこり笑って
「ユーリお早よう。あの子がホワイトドラゴンね?」
そう言って飛んでいるハクを見上げています。
「そうです。ハクって言います。アルから聞きましたか?」
「えぇ。それに色々とね…。ユーリあなたはいづれ『アルフレッドのお嫁さん』よ必ず戻ってきてね。」
あぁ待っていてくれる人がここにもいるのね。
「ありがとうございます。こんな私を認めて下さり…本当にありがとうございます。」
「あのアルフレッドがこんなに大事にできる女の子だもの。逃がせないわ!」
そう言って笑いながらお母様は屋敷に戻っていきました。
私なんかが嫁でいいのかしら?
ていうか嫁?私が?いやいやだってプロポーズだってまだだし?ってかまだとか!
ちゃんとそういう事考えたことなかったな。はじめ婚約者のフリから始まった訳だし…
一人で勝手に考えていると、サリーが呼びに来てくれた。
「ユーリ様!ここにいらっしゃったんですね。お部屋に行ったらいらっしゃらなかったので驚きました。」
「ごめんなさいね。ハクのお散歩に来てたのよ。」
そして朝の運動を終えたハクも戻ってきた。
「朝食にしましょう。」
朝食は久しぶりに揃って食ベることに。
お父様もお母様もアルもいてハクもいる。
この光景はとても素敵で幸せだなって素直に思う。
朝食が終わり、アルが出勤する時、
「ユーリ、明後日アロマの納品に行く日だよな?その帰りに殿下と会う事になると思う。」
最初のコメントを投稿しよう!