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「殿下お話の前に、この場に呼びたい者がいます。お許しいただけますか?」
「今からか?」
「直ぐです。」
そう言うと殿下が
「許す。」
「ありがとうございます。」
殿下にお礼を言ってから、
「フィーリー。」
そう言うと、宙に光が集まり金髪美女のフィーリーが現れる。
「これは…」
殿下もアルもブライアンも驚いている様子だ。
「お初におめにかかります。エルフの妖精フィーリーと申します。今日のこの場に立ち会わせていただきますわ。」
そう言って宙に浮かびながら礼をする。
そして私が話す番。
「まずは殿下、私の境遇から話をさせていただきます。私はまずこの世界の人間ではありません。
ある日突然ソフィーの森で倒れていた所をアルに助けていただきました。そしてなぜこの世界に来たのか?と言う謎の答えはフィーリーが鍵でした。
しばらくして彼女が夢に現れ、現実に話すことで、理由がわかりました。」
「それは……」
「それは私が試しに召喚してしまったからよ。」
そこからフィーリーが説明を変わる。
「私がお試しで召喚してしまった為に彼女は元の世界へ戻れなくなってしまったわ。
この世界で生きていくために、私はヒーラーとしての能力を、女神の加護を授けたの。
でも彼女は非公式の召喚であった為今日まで公にしてきませんでした。
しかし、女神の加護の影響か、ホワイトドラゴンに気に入られてしまい契約者となってしまった。
彼女はいづれ自分がヒーラーである事が公になる事を悟りこの様に殿下へ報告する決意をした訳です。」
「ユーリ、よく話してくれたね。そしてフィーリー様もありがとうございます。」
そう言って更に
「実は、ユーリに何らかの力がある事は実は薄々気付いていたよ。」
「えっ?アルからですか?」
「いや、君の作るアロマを使い続けていたからね。アルフレッドは一切その件に触れていないよ。」
アルが頭をかいている。微妙な立場の中申し訳なかったわね。
「それにブライアンも……」
「ブライアン様も?」
「いや、君の使うアロマに秘密があるんじゃないかと前にも言ったと思うが…まさかヒーラーとまでは知らなかったよ。」
そっか……やっぱり不自然に早い治癒だとバレるわよね。
「そしてユーリ、ヒーラーでありホワイトドラゴンの契約者であることを告白した訳だが、何を望む?」
殿下が目を細めながら私に尋ねる。
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