私の望みは・・・

3/4

476人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
「ユーリ、君はどう考えている?まぁ、スタンリー家に居たいと言った時点で決まっているのかな?」 殿下はそう言って口の端をキュッと上げながら部屋を出ていった。 私の顔はカッと熱くなる。 2人は殿下が動いた為慌てて後に続く。 アルがドアを開けていてくれたので、赤い顔をした私とハクも出る。 「ではユーリ、細かい契約に関しては書簡にて改めて送る。そうそう先日誘った晩餐会の招待状も一緒に送るからね。次回、王宮で会えるのを楽しみにしているよ。」 「はい。ありがとうございました。」 そう言って殿下達一行はアルを残して去っていきました。 「ユーリお疲れ様。ひとまず良かったな。」 「はい。色々と心配おかけしてすみませんでした。」 「ユーリ、殿下に晩餐会に誘われていたの?」 「えぇ、マリアさんのお店で偶然会った時にお礼も兼ねて…って言っていたわ。 マナーとかちょっと心配だわ。」 そう言うとアルがにっこり笑って 「俺が…手取り足取り教えてあげるから大丈夫だよ。」 って…ちょっと笑顔が怖い気が… そうして待たせていた馬車にハクと乗り込む。 「ユーリ様!大丈夫ですか?」 マリーとサリーが心配そうに聞いてくる。 「えぇ、今まで通りあなた達と一緒にアロマを作ることが出来るわ。」 そう言うと2人とも笑顔で喜んでくれました。 「ユーリ、俺はこれから殿下の所へ行くが夜には戻るから家で待ってろよ。」 そう言ってアルは馬で殿下を追いかけていきました。 そして私達はアップルパイをまた買い込んで戻ります。 「またお世話になるし…アップルパイお土産に帰りましょう!」 そう言うとマリーも笑顔で喜んでくれている様です。 「きっと伯爵夫妻もお喜びになると思いますよ。」 サリーもそう言ってくれたので帰るのが楽しみです。 馬車が到着し、扉を開けるとアルのお母様が出てきて下さった。 「ユーリ、おかえりなさい。殿下はなんて?」 余程心配してくださったのでしょうね。直球の質問が飛んできました。 「心配ありがとうございます。今まで通りここにいて良いと言っていただけました。時々納品に王宮へ行くことにはなりましたが…」 ガバッ。 お話の途中でしたがお母様に抱きしめられました。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

476人が本棚に入れています
本棚に追加