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「ユーリ、君はどう考えている?まぁ、スタンリー家に居たいと言った時点で決まっているのかな?」
殿下はそう言って口の端をキュッと上げながら部屋を出ていった。
私の顔はカッと熱くなる。
2人は殿下が動いた為慌てて後に続く。
アルがドアを開けていてくれたので、赤い顔をした私とハクも出る。
「ではユーリ、細かい契約に関しては書簡にて改めて送る。そうそう先日誘った晩餐会の招待状も一緒に送るからね。次回、王宮で会えるのを楽しみにしているよ。」
「はい。ありがとうございました。」
そう言って殿下達一行はアルを残して去っていきました。
「ユーリお疲れ様。ひとまず良かったな。」
「はい。色々と心配おかけしてすみませんでした。」
「ユーリ、殿下に晩餐会に誘われていたの?」
「えぇ、マリアさんのお店で偶然会った時にお礼も兼ねて…って言っていたわ。
マナーとかちょっと心配だわ。」
そう言うとアルがにっこり笑って
「俺が…手取り足取り教えてあげるから大丈夫だよ。」
って…ちょっと笑顔が怖い気が…
そうして待たせていた馬車にハクと乗り込む。
「ユーリ様!大丈夫ですか?」
マリーとサリーが心配そうに聞いてくる。
「えぇ、今まで通りあなた達と一緒にアロマを作ることが出来るわ。」
そう言うと2人とも笑顔で喜んでくれました。
「ユーリ、俺はこれから殿下の所へ行くが夜には戻るから家で待ってろよ。」
そう言ってアルは馬で殿下を追いかけていきました。
そして私達はアップルパイをまた買い込んで戻ります。
「またお世話になるし…アップルパイお土産に帰りましょう!」
そう言うとマリーも笑顔で喜んでくれている様です。
「きっと伯爵夫妻もお喜びになると思いますよ。」
サリーもそう言ってくれたので帰るのが楽しみです。
馬車が到着し、扉を開けるとアルのお母様が出てきて下さった。
「ユーリ、おかえりなさい。殿下はなんて?」
余程心配してくださったのでしょうね。直球の質問が飛んできました。
「心配ありがとうございます。今まで通りここにいて良いと言っていただけました。時々納品に王宮へ行くことにはなりましたが…」
ガバッ。
お話の途中でしたがお母様に抱きしめられました。
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