異世界で幸せになります!

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異世界で幸せになります!

アルのプロポーズを受けてから、しばらくはいつもの作業に没頭する日々でした。 しかし今日は王宮へ初の納品日です! ハクと共に殿下にもお会いする予定となっています。 「ユーリ、アルフレッドとの婚約おめでとう。忙しかっただろうに、順調に納品日を迎えられて良かったよ。」 殿下からの第一声でした。 「恐縮です。新しく仕事が始まる中、ご心配お掛けして申し訳ありませんでした。今後より一層頑張らせていただきます。」 そう言うと、 「先日アルフレッドが嬉しそうに報告してきたよ。落ち着くまではそんなに張り切らなくても良いぞ。色々段取りも忙しいだろうから。」 殿下が笑いながら言う。 まぁそんな訳にはいかないわよね? 「私からお祝いも兼ねて結婚式の後2人を晩餐会に招待するよ。」 殿下からそう言って頂きました。 「ありがとうございます。」 「ホワイトドラゴンも調子良さそうだ。」 「はい!お陰様で。」 「キュウ~ン」 ハクもちゃんとお返事出来ました。 王宮から帰る際、廊下でブライアン様にお会いしました。 「アルフレッドと本格的に婚約したそうだね。」 「はい。先日プロポーズを受けました。」 「君の中に私が入る隙は無かったようだね。お幸せに……」 そう言って通り過ぎていきました。 私は何にも言えませんでした。 「キュウ?」 ハクが何も言わない私を心配そうに見上げます。 「大丈夫よ。ハク。……多分ブライアン様を傷付けてしまったみたいです。」 呟く様に言った私の言葉は誰の耳にも届きませんでした。 誰にでも良い顔は出来ないし、私はアルが好きだから。これでいいの。 そうして自分なりの答えを出してアルの元へ帰ります。
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