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よく晴れた爽やかな風が吹く日……
純白のドレスを纏い、首元と耳には青く輝くラピスラズリ。
艶々に輝く編み込まれた黒髪には白いベールが掛かっている。
そして今、私、愛川優梨は教会の扉の前に愛するアルフレッドと共に並んでいる。
私が誰かと結婚する日が来るなんて、異世界に来る前の私には想像もつかなかった。
結婚をすすめる母には随分反発したけれど…愛する人との結婚はこんなにも素敵な事だったのね。
この姿を両親が見たらびっくりするんだろうな…
そんな事を考えていたら、
「ユーリ、行こう。」
と、隣のアルが素敵な笑顔で声を掛けてくれた。
目の前の扉が開かれパイプオルガンの鳴り響く教会のバージンロードを2人で歩く。
私の両親がこの世界に居ない為、2人ではじめから歩く。
周りには顔見知った人達が見守っていてくれる。
なんと殿下まで来てくれている。
そして牧師様の前でアルと永遠の愛の誓い。
「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも……これを愛し、慰め、助け、その命ある限り……一緒にいることを誓います」
教会の鐘が鳴り響く中、フィーリーがお花のシャワーを空から降らせてくれたようです。
上を見上げるとハクがグルグルと教会のまわりを旋回している。
ハクなりのお祝いらしい。
皆に祝福され今日、この場所は笑顔が溢れる。
やっと見つけた私の場所。これからもアルと共に頑張ります!
まだ私たちの物語は始まったばかりですから……
fin
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