第二章

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「ただいま。」 玄関を開け、誰もいない家に入る。 「にゃー。」 愛猫、みかんが出迎えてくれる。 みかんの頭を撫で、自室に入る。 「はぁー、疲れた。」 ベットに倒れ込む。 今日はテスト返しがあり、その後成績も帰ってきた。 私の成績は別に悪くはない。ただし良いわけでもない。 いわゆる、“普通”だ。 などと、頭の中で考えていると、 玄関が開く音がした。 「ただいまー。あー、疲れたー!」 兄だ。兄が高校から帰ってきた。 兄は、“鳳銘高校”という県で最も頭の良い学校に通っている。 コンコン。 兄が私の部屋の扉をノックする。 「蓮花、ただいま。」 兄は、必ず家に帰ると真っ先に私に “ただいま” と言ってくれる。 「おかえり、お兄ちゃん。」 私は、兄のことが大好きだ。 でも…嫌いでもある。 そんな、自分はもっと嫌いだ。
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