1人が本棚に入れています
本棚に追加
空を切るようなスピードで男の腕が飛んでくる。
「く!」
このコンボには避けきれずにガードはしつつも吹っ飛ばされ、その弾みで銃を落としてしまった。髪の毛は乱れ、地面にひれ伏す
「ぐううう」
男は撃ち落とされた腕の断面を抑えるが、変形した指の隙間から滝のように血が流れ出る。
「俺の腕を…殺す殺す」
まるで悪魔に憑りつかれたように、俯きながらひれ伏すレイに近づく。
「その薬は再生効果が無いようだな…」
レイは、膝を付きながら身体を起こす
「うぉぉぉぉぉ!」
その一言が点火剤になったのか走りだし、腕を振り上る
その時、コニーが勢いよく走ってきて棒状の廃材を男に突き刺した。棒は背中を貫通し血が吹き出る。悲鳴を上げたと同時に腕の先が鋭利な形に変化した。
それは自らの身体に突き刺さった廃材と同じ形をしていたのだ。
「逃げろ!」
レイは何かを察知したのか、叫ぶ
次の瞬間、男の変化した腕がコニーの身体を突き刺した。腕は背中を突き破って出てきた。
「…!」
目の前の光景に言葉を失うレイ。
「…ぁあああ!レイ!!」
コニーの身体から大量の血が流れる。しかしコニーは男に突き刺した棒を抜きレイの方に投げた。
我に戻ったレイは力を振り絞り、棒を受け取ってコニーと男の元に走る。
グシャっと鈍い音と共に大量の血が真上に噴き出す。レイは、コニーから受け取った棒を男の顔面に突き刺したのだ。
「レイ…今回の…殺人は…ただの殺人事件とは…ちが…」
コニーはぐったりと倒れこんだ。計るまでもなく彼の脈は止まっていた。
レイが棒を離すと同時に男も倒れこんだ。こちらも脈は止まっているようだ。
「そのようだ…」
そう言ってレイは膝から崩れ落ちた
程なくして、工場には非常線が張られコロニー警察の現場検証が始まった。
ワンダが後から到着し非常線を潜って救急車の脇に座り込むレイの元に寄った。
「レイ…」
ワンダの後ろをコニーの遺体を乗せた担架が通る。
一方、怪しい車を追っていたレディの着いた先はカートの実家だった。
車を止め銃を抜き家まで走る。玄関は半開きだったためそのまま侵入した。
そこでレディは信じがたい光景を目にする…
TO BE CONTINUE
最初のコメントを投稿しよう!