STORY

2/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
2030年、強力な放射エネルギーを持つ隕石が太平洋に落下した自然災害、通称「パージ・インパクト」が起きた。 世界中の科学者や専門家を集め、結成された特別科学調査機関「B.S.I(Bio.Science.institution」が隕石を回収し、巨大な地下科学研究施設で調査が行われた。 隕石の持つ放射能量は人類の予測を遥かに超え、世界一の科学研究施設でも手に追えない。身の危険を感じた機関は隕石を地下研究施設ごと封鎖して世間に嘘の情報を流した。 しかし、隕石を隔離していた研究施設から大量の放射能が漏れてしまい、地球は凄まじい速さで汚染され、生命体の半数は死に至った。 残された生命体は災害当時から建設されていた火星コロニー(今だ建設中で、地球の半分程の大きさの人工惑星)に移住する。この移住期間は役50年を要した。 2090年。火星コロニーでは移住10年のメモリアルイヤーを迎えていた。 予期せず起きてしまった自然災害で、建設途中のまま移住が実行されていたため現在も建設中の建物が大量に並んでいる。 50年前の「パージインパクト」の放射物質を利用した超覚醒剤「EX-TASY」が何者かの手によって開発される、ブラックマーケットに流通し悪用される事件が後を絶たない。 「EX-TASY」を投与、吸引、服用することで人間の潜在能力を50?80 倍に上げる効果を持つ。政治家、科学者、アスリートなど多種分野に使用され、これまで類を見ないほどの経済効果を発揮するが、一定量服用すると自我を保てなくなり暴走して人を襲う化け物になってしまうこともあるため、コロニーでは所持、使用を禁止している。 そう、進化した文明や科学を悪用する人間の性は何十年経とうと変わらなかった。 これは火星コロニーを管理するために政府が設けた警察組織「C.P.D.Colony.Police.Department」の事件簿である
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!