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北都市 エリア2 AM7:00 人類が移住を…始め…て約60年、未だ建設途中の巨大ビル群が並ぶ…人工星は、建設期間が 一生続くと言われ…ています。 電動工具や建設用重機のコンク…リートを叩く…音が常に鳴り響く。辺りはアスベストなどの 細か…い粉が充満し、まるで黄砂が街を覆っているよう…です。 それが原因で母体に悪…影響が及び、障害を持って生まれてくる赤ん坊が…増…え……てい ま…す。 ノイズが混じりながらも番組は続いている。 ある一人のホームレスが、電気屋のテレビに流れている番組を向かいの路地から眺めていた。 錆びたスクラップ品をかき集めて、包帯とネジで固定された義手で空き缶をコップ代わりにして コーヒーを飲んでいる。一滴の雫が缶の中のコーヒーに落ち、ピチョンと音を立てて焦げ茶色の 冠が出来る。やがてその雫はコーヒーに飲み込まれ、煙のように消えていく。泥水だ。 ホームレスが居座っている路地の、剥き出しになった配管から垂れてきたようだ。 しかし、その雫は止まる気配もなくネジが弾け飛び、水圧で配管は真っ二つにへし折れ、辺り一面水浸しになった。その直後、何か大きな物体が落ちる鈍い音がした。     
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