XTASY

＃１

「信じられないと思うけど、あの配管に詰めて遺棄したみたい。そこのホームレスが、配管が割れて出てきたと証言しているわ」

「タケトリモノガタリね。埋めるより大変でしょうに…」

「エリア7の233ストリートに住んでいる親族には連絡してある」

「取り敢えず伺うわ。奧さんは？」

「奧さんなんだが、ここ数日目撃されていない様だ」
小太りで顎髭の生えたドレッド頭が特徴のトレアン捜査官が聞き込みを終え、二人に歩み寄りながら言った。

「死後2時間程度だからそんなに遠くへは行ってないはずよ」
ワンダが遺体の網膜を小型ライトで照らしながら言った。

「そうね、チキュウならきっと探すのは大変」
レディはそう言って、腰のポシェットに入っている長方形の通信端末を出し電源を入れた。
すると、青白く発光した液晶が四つ出て来た。それぞれの液晶は調査に特化した項目いなっている。

レディは通信項目をタッチして本部と連絡をとった。

「スワン聞こえる？現場のレディよ」

「あぁ、聞こえるよ」
本部からサポートしている、ハッカーのスワン・ルーシィ捜査官は鼻声でお調子者だ。

「今、エリア2の19ストリートで起きた殺人事件を調べているんだけど、エリア7に寄ってから帰るわ。」
「了解、長官には遠足って伝えておくよ。こっちからできることはある？」