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「そ、それで、どうなったんです?」
わたしは男性の体験談を聞き、生唾をのみこんだ。一心不乱に動かしていたペンが止まる。
今日のわたしの仕事は『どんな人間でも虜にしてしまう謎多き女性』の情報を集めることだった。
世間で今、最も注目を集める彼女の素顔を何としてでも暴かなくてはならない。
彼女の被害にあったのは老若男女、様々な立場の人間たちで何らかの規則性はない。そして最も不可思議なのは彼女に心を奪われた人間は誰一人、彼女のことを悪く言わないのだ。
わたしの目の前で自身の経過を淡々と語る男性もその一人のようだった。
どこかうっとりとした目をして男性は続ける。
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