僕の一日

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その時僕の目の前に焼けた食パンと目玉焼きとベーコンが並んだ。 僕はそれをかきこむように食べると、リュックを背負った。 「いってきまーす」 「いってらっしゃい」 母さんはそんな僕を心配するかのようにそう言った。 ロードバイクに乗り、大きな下り坂を降りて、そのまま学校まで直行する。 学校までの道中、同じ学校の生徒が単語帳などを見ながら歩いているのが見える。 そうこうするうちに学校に着くと、僕はリュックを開き、勉強を開始する。 そんな僕の背中に何かが当たった感触がくる。 僕はすぐに後ろを振り返る。その正体は幼馴染みの朝雛美波の鞄だった。 美波はプンプンと怒ったような表情をこちらに向けている。 「昨日。HELLO、寝落ちしたでしょ? 分からなかった所たくさんあるのに」 僕はそう言えばと思い出した。昨日の晩、美波に勉強をHELLOのトークを使って教えていたんだった。 「ああ……それはほんとにごめん」 「ったく」 美波はそう言うとまた僕の背中に鞄を当ててきた。そしてそのまま斜め前の自分の席へ座った。 「今日もお熱いね!!ヒューヒュー」 冷やかし口調でそう言ったのは僕の友人の藤岡悟。 「そんなんじゃないよ。それより悟も勉強しろよ。最初お前の苦手な英語だぞ」 悟はそれを聞くと慌てた様子で自分の席に行き、英語のノートと教科書を開き猛勉強し始める。 そんなこんなでテストは始まり、放課後、悟と談笑しながら帰路に着いた。 話の内容はもちろん今日のテストのことと、明日のテストのこと。夢のことが話題に出ることはない。 家に帰ると、いつものように夜ご飯を食べて、お風呂に入る。 いつもと違うのはテスト期間のためその後に勉強をするということくらい。 そして今日も一旦終わり、眠りにつき最後のいつもがやってくる。 『おはよう!! 小波悠叶君!! さあさあ今日も始まるよ!!』 ブラウニーはいつものようにそう告げる。
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