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ソノミも家の外へ出ていってしまうことがあったけど、エサの時間になると必ずチリンチリンと音をさせて必ず帰ってきた。どこが自分の家なのかはわかっていたんだろうね。
ソノミは、じいちゃんが死んだ後も孫のように可愛がられていた。
なんだかんだで、5年くらいは飼われていたと思う。
けれど、残念ながら2年前に死んでしまった。
ばあちゃんちから3kmくらい離れたところに高速道路が走っているんだけど、そこでトラックに轢かれてしまって……。本当に残念な別れ方をした。
なんでソノミがそんなところへ行ったのかはわからない。
とにかく、現場では首輪をしているからこれは飼い猫だろうって話になって。
その一週間くらい前からソノミは行方不明になっていて、ばあちゃんは近所の交番に届けて必死に探していた。連絡を受けて、ばあちゃんはソノミを車で迎えにいった。
戻ってきた遺骸は、泣く泣く箱に入れて庭に埋めたんだ。
その二日後の夜のこと……。
俺とおふくろは久しぶりにばあちゃんちに来ていて、リビングで夕飯を食べていた。
俺はそこで初めてソノミの最期を聞いたもんで……とても悲しかったよ。
それが、夜の9時を過ぎたあたりだったかな。3人でスイカを食べていたら、突然庭の方から音がしたんだよ。
チリンチリン……
と鈴のような音が。
ばあちゃんは、ハッとして窓の方を振り向いた。
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