*15*こころとからだ

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「……ひとつ、我儘を言ってもよろしいか」 「うん……?」 「もう一度、貴女様を抱きたい。今度こそ優しく……こころもからだも、本当の意味で、穂花の夫となりたいのです」  真摯なまなざしに、曇りなど微塵もありはしなかった。 「大丈夫、もう厭じゃないから……紅の好きなようにして?」 「あまり、煽られるな……乱暴こそしないが、手加減致しかねる」 「あっ……ん」  する……と内腿を撫で上げられては、甘い吐息を抑えきれない。  紅を知る身体は、ふれられた場所から熱が跳躍伝導し、思考をとろけさせる。 「べに……キスして?」 「っ……貴女様が、お望みならっ……!」  口付けは、熱情の抱擁を伴って。  情愛の五月雨は、静かに、あたたかく降り注ぐ。 「ずっと、お傍にいさせてください……心から愛しています……穂花」  甘い痺れに支配される意識の中、穂花は返事の代わりにまぶたを下ろし、頬笑む。  頬笑み返す紅の頬を伝った雫は、紅蓮の蕾へとこぼれ落ち、ふわりと、花開かせた。  
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