*17*面の秘密

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「お面、またつけてるんだね?」  秀麗なかんばせの右半分を覆い隠す狐の面。昨晩、紅自身が取り払ったはずのそれは、定位置におさまっている。 「これは、まじないです」 「おまじない?」 「わたしも……かつてはサクヤと同じ、菫の双眸をしておりまして」 「じゃあ、赤い瞳は生まれつきじゃないの?」 「然り」  紅が語るには、こうだ。  自分は生まれつき嫉妬深い性分であるらしく、それを戒める為、父のオオヤマツミが術をかけた。  ――(そね)みや(ねた)みは見苦しい。  この先もし嫉み妬むことがあれば、嫉妬の烈火がその身に刻まれるだろう、と。  
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