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「いやぁ、まさか蒼がねぇ」
「わたしが躾けましたゆえ、そこらの妖には劣らぬものと自負しております。……が、人のかたちを取ることが不得手でありましてな」
「足であるくの、むずかしい……あと、あお力つよいから、よくものをこわしちゃう……」
「悪気はないのです。このように反省しておりますので、どうかご寛恕いただきますよう」
「あおも、きをつけます……」
この世の終わりのような面持ちで猛省されては、いよいよ胸が痛くなってきた。
「気にしないで。蒼がいい子だって、私は知ってるからね。どうせなら、楽しいおしゃべりでもしようよ!」
「んぅー……」
努めて優しく声をかけたつもりだが、蒼は困ったように眉尻を下げ、唸っている。
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