*18*一迅の刃

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 きょとんと傾げられる天色の頭を撫でる手つきは、この上なく穏やか。ひとのままでも構わないと、紅は許可したのだ。  数拍遅れて輝きを放つ常磐色の双眸は、歓喜の証。 「ぬしさま、ありがと~っ!」  飛びつく、という表現がまさに適当かと思われる抱擁。顔をしかめながらも咎めはしない紅を見る限り、蒼も加減を憶えたようだ。  見た目こそ同じ年ごろだけれど、幼い弟をなだめる兄の顔をした紅を、穂花は見逃さない。  目前の光景に自然と頬はゆるみ、まぶしげに眼を細めた。  
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