*20*花よ咲け

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「私がまだ満たされていないとすれば……このすきまを埋めてくださるのは、貴女様のみです」 「……うん」  静かに相づちを打つ。穂花に促され、サクヤは続ける。 「私は貴女様の夫でございましたが……厳密には、ニニギ様と契りを交わしたのみ。いまの貴女様を、穂花という少女を、私はいただきたい」 「さく……」 「……貴女様にふれたい。誓約に乗じる形となり、申し訳ないのですが……おねがいです。今宵は、私を侍らせてくださいまし。貴女様を……抱かせてください」 「ッ……!」  羞恥という言葉は温すぎる。  身体の芯から燃え盛る熱は、まだ女になりきれない少女の、未熟な証だ。  
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