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「私がまだ満たされていないとすれば……このすきまを埋めてくださるのは、貴女様のみです」
「……うん」
静かに相づちを打つ。穂花に促され、サクヤは続ける。
「私は貴女様の夫でございましたが……厳密には、ニニギ様と契りを交わしたのみ。いまの貴女様を、穂花という少女を、私はいただきたい」
「さく……」
「……貴女様にふれたい。誓約に乗じる形となり、申し訳ないのですが……おねがいです。今宵は、私を侍らせてくださいまし。貴女様を……抱かせてください」
「ッ……!」
羞恥という言葉は温すぎる。
身体の芯から燃え盛る熱は、まだ女になりきれない少女の、未熟な証だ。
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