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「恥じらっておいでなのですか? ふふ……かわいらしい」
「わ、笑い事じゃないから!」
「嬉しくもなります。かつて一夜を共にしたときは、私が先導されてばかりでしたから……」
「えっ……ニニギって、その……しょ、処女じゃなかった……とかじゃ、ない、よね……?」
自ら訊いておきながらすこぶる後悔をした。
穴があったら入りたいどころか埋めてほしくてたまらない穂花に、サクヤはふわりと頬笑む。
「ニニギ様は、とても落ち着いた方でしたから」
「すみません……落ち着きがなくて」
「申し上げましたでしょう? 私は一切咎めません。私が抱きたいのは穂花なのです。普段は頼りないやもしれませんが……閨の中くらいは、主導権をいただきますからね……?」
「ちょ、ちょっと待……」
「待ては聞けません。それが男の矜持というものです」
そろりと後ずされば、ずいとよりいっそう距離を縮められる。
逃げることこそ自滅への道と理解したころには、もう手遅れであった。
「……ひゃっ! なにしてるのさく!?」
ワンピースの裾に、サクヤが手をかけたのだ。純白の布が、するするとたくし上げられてゆく。
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