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「どうかお静かに。あまり暴れられては、お召し物が乱れてしまいます。これ以上貴女様の素肌を目の当たりにしては、自制できる自信がありません」
珍しく口早に紡がれた言葉のみで、余裕のないことは容易にはかり知れる。
口をつぐむ穂花に満足したか、サクヤは表情を和らげ、あらわになった素足に唇を寄せる。
「……これが、私の花です」
熱っぽい吐息と共に、右脚の甲へ口付けられる。
あそこはたしか、青い蕾の在った場所……
「必ずや咲かせてみせましょう。我が愛しき細君――」
「んっ……!」
……口付けられた場所が熱い。
それ以上に、心臓が燃えているようだった。
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