*20*花よ咲け

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「どうかお静かに。あまり暴れられては、お召し物が乱れてしまいます。これ以上貴女様の素肌を目の当たりにしては、自制できる自信がありません」  珍しく口早に紡がれた言葉のみで、余裕のないことは容易にはかり知れる。  口をつぐむ穂花に満足したか、サクヤは表情を和らげ、あらわになった素足に唇を寄せる。 「……これが、私の花です」  熱っぽい吐息と共に、右脚の甲へ口付けられる。  あそこはたしか、青い蕾の在った場所…… 「必ずや咲かせてみせましょう。我が愛しき細君――」 「んっ……!」  ……口付けられた場所が熱い。  それ以上に、心臓が燃えているようだった。  
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