*22*遥かなる懐古【R18】

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「それは……何故です?」 「まちくんの傍を、離れられないの」 「離れられない? なにか術でも施されたのですか? ですが、オモイカネ様がそのように強引な真似をなさるとは……」 「ちがう、そうじゃないのよ」 「どういうことですか、穂花……?」  問われている。答えなければならない。  答えられるのだろうか? 嗚呼それでも……  (サクヤ)だからこそ、伝えなければならない。 「さく、私――赤ちゃんが、出来たの」  菫の双眸が極限まで見開かれる。  心根の優しい彼は、咎めないだろう。  だからきっと、哀しませてしまう。  ……それが哀しくて、息苦しかった。  
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