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「あのう……まちくん? ここ学校ですよ?」
「知ってる。俺たちが愛を育むのに、TPOなんて関係ないだろ?」
「あるよ学生が勉強するとこだよ学校は!!」
「俺は知恵の神だ。むしろ俺が人間どもに教えてやれるくらいだ」
「事実だからなにも言えない!」
「穂花……勉強なら俺が見てやる。だからわざわざ余計な気力と労力を浪費してまで、こんなとこに通わなくてもいいだろ?」
「いや、それって単にまちくんが私といたいだけじゃ、」
「そこまで俺の気持ちを理解して……はぁ……マジで無理、愛してる」
「私の言葉が届かない!」
盲目的な愛とは、このことを言うのだろう。
これまで頑なに本心を隠してきた真知だからこそ、連日に渡って繰り返される砂糖まみれのような睦言やふれあいは、穂花にとって嬉しくもあり、悩みの種でもあった。
「オモイカネ殿がお壊れなさったか」
「ちょっとー! ずるい! あおも、ねーさまぎゅってするの~!」
そうこうしているうちにヤキモチ妬きの神と使い魔も加わり、比例して頭痛の要因が増えてゆく。
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