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身をよじり、真知の腕をするりと抜け出す穂花。
打って変わって破顔したままに両腕をめいっぱい広げれば、天真爛漫な妖が瞳を輝かせて飛び込んできた。
「んふふ……ねーさまだぁ。こんどは、いつお昼寝できる? あお、なでなでしてほしい~」
「寂しい思いさせてごめんねぇ! そこの困ったさんふたりのせいで!」
「なに、穂花を煩わせるのはどこのどいつだ」
「同じ神の風上にも置けませぬな」
「あなたたちですけどね!!」
一喝すれば、一斉に不平を申し立てる二柱である。が、聞こえない、と一刀両断し、蒼とのたわむれを楽しむ穂花であった。
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