幕間 本日も平穏なり

4/4
472人が本棚に入れています
本棚に追加
/479ページ
 身をよじり、真知の腕をするりと抜け出す穂花。  打って変わって破顔したままに両腕をめいっぱい広げれば、天真爛漫な妖が瞳を輝かせて飛び込んできた。 「んふふ……ねーさまだぁ。こんどは、いつお昼寝できる? あお、なでなでしてほしい~」 「寂しい思いさせてごめんねぇ! そこの困ったさんふたりのせいで!」 「なに、穂花を煩わせるのはどこのどいつだ」 「同じ神の風上にも置けませぬな」 「あなたたちですけどね!!」  一喝すれば、一斉に不平を申し立てる二柱である。が、聞こえない、と一刀両断し、蒼とのたわむれを楽しむ穂花であった。  
/479ページ

最初のコメントを投稿しよう!