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「至らぬ私を、咎めるどころか気にかけてくださる……何百年、何千年の時が経とうと、本当にお変わりない……」
ここで漸く気づく。自分の上に在るのは、落とせば割れてしまいそうな美しい少女……いや、少年ではないのだと。
そして、華奢ながらも筋ばった身体つきをした青年の、菫の髪、菫の瞳、柔らな声音を、自分は知っていると。
「そんな貴女様だから……どこまでも、愛おしくなる」
熱っぽく、切なげに訴えかける見目麗しき青年を、見まごうはずもない。
「――高千穂先生!?」
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