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田舎に住む祖父母の家で飼っていたという猫は、私が生まれる前に亡くなり。
都会で生まれ育ったゆえに、野良猫というものを見かけることもあまりなく。
仲良くなった友達の家に行けば、犬や鳥はいても猫を飼っている者はおらず。
最寄りの猫カフェにでも行ってみるかと思い立った時には、閉店していたり。
写真や動画はいくらでも見れるが、生の猫というものに触れる機会は全くなかった。
正直なところ猫に限らず動物全般は苦手な方だったので、それほど問題はない。
ただ、漫画やテレビなどで猫の可愛さというものを見る度に触れてみたいと思うのだ。
いっそペットショップにでも行けば、確実に猫はいるだろうし触れられたのだろう。
だが、飼うつもりもないのに足を踏み入れるのは申し訳ない気がして行けなかった。
ことあるごとに思い出しつつ、日々の流れるままに過ごして数十年。
世に言う黄金週間の激務を乗り越え、振り替えの休日に家で寝転んで休んでいた。
その時、ふと『猫島』に行ってみようかという気になった。
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