勝利条件

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 あるファミレスの一角。私服の男たちがワイワイと楽しそうに夕食を取っていた。  先ほどまでは俺もあの一角に居たのだが、そうもいっていられない事情というものができたのだ。  というのも友人の一言のおかげだ。 「そういえば明日提出のレポート、結構面倒だったな。」  明日提出のレポート。  そんなものの存在を俺はすっかり忘れていた。  レポートの存在を気づかされた俺はみんなに断りを入れて先に帰らせてもらうことにした。  とはいえ、もう日が落ちてから何時間も立っている。  道はとっくに真っ暗で、点々とある街灯が本当に薄く照らしているだけ。  俺は自転車を飛ばして急いで帰るのであった。  まあ、もう人も出歩かないような時間だから、ほとんど気にせずに漕ぎまくれたのだ。
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