勝利条件

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 家の鍵を開けて転がり込むようにして部屋に飛び込む。  しがない大学生の1Rアパートだ。それにしては足元に散らばるペットボトルで進みずらい。  玄関に散らばる空き缶やらのごみをけ飛ばすように進む。  壁際にベッド、逆側に勉強机と椅子。足元にはこの間買った週刊誌の漫画。  おれは鞄をそこそこの位置に投げ、勉強机について急いでパソコンの電源を入れた。  机の上には雑多に置かれたプリントと試料と教科書。そして目覚まし時計とパソコンとマウス。ペン立て。  パソコンが立ち上がるまで少し机の上を整理する。  といっても適当に資料やらプリントをまとめて端にポイするだけだが。  目覚まし時計はコチコチと今のときを告げてくる。  疎まし気にそちらを見るといわゆる丑三つ時ってやつだ。  レポートの提出は授業で行われ、その授業があるのが2限。  ここから学校まで20分として家を出る時間まで逆算すると、残り時間8時間ちょい。  残り時間8時間でそこそこのものを書き上げて提出すればよいのだ。  立ち上がったパソコンにパスワードを打ち込み、急いでワープロソフトを起動させる。  さ、ここからが正念場である。  全会の試料を探しに机の上のプリントをひっくり返す。  これが案外すぐに見つかる。  …俺、やろうとしてぶん投げたやつじゃねえか。アホか。  ここで俺の脳がフル回転をはじめ即刻レポートの文字を進める――
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