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誤字脱字など気にしていられない。急いで書き上げるのみだ。
そうして終わったレポートをUSBフラッシュメモリーに移す。
家での印刷はできないので図書館のコピー機を利用することにする。
俺は準備もそこそこに家を飛び出した。
飛び出す直前に確認した時間が11時25分。学校についたのが11時38分。
急いで図書館に行くと、そのコピー機の前には人が三人並んでいた。
「嘘だろ…」
どうやら一人目の人が大量に何かを印刷しているらしい。
俺は踵を返した。
多少金が掛かるがコンビニで印刷しよう。
俺は図書館前に止めてあった自分の自転車に飛び乗った。
最寄りのコンビニまで自転車で3分。こちらはコピー機には誰も並んでいない。
急いでUSBフラッシュメモリーから今日のレポートを印刷する。
枚数と中身を軽く確認して急いでコンビニを後にする。
これであとは筆箱にあるホッチキスで止めれば提出できる。
自転車をこぎながらそんことを考えていた。
講義棟につんのめりながら入り、鞄の中の筆箱を探しながら歩く。
いくら手を突っ込んでかき回しても、お目当ての感触が見つからない。
嫌な予感がして鞄のチャックを全開にし、中身を目で確認する。
そこにいつもの筆箱の存在は確認できなかった。
見事に薄っぺらいファイルがあるだけである。
急いで講義棟を飛び出す。
図書館に行けば貸し出しのホッチキスがあることを思い出した俺は再び自転車で図書館まで向かう。
受付のところのホッチキスを奪うように取り、いそいでレポートをまとめ、ダッシュで図書館を飛び出す。
そうしてようやく目的の講義室が目に見えたところでどうやら講義が終わったらしく、人が出入り口から出てくるところだった。
間に合うか、どうだ――。
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