第1話

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 手の平が温かくなり、光り始める。  傷が治るように念じながら光が消えるまで集中し、光が消えると包帯を外してやる。  すると体中を傷が綺麗に消えていた。  …そう、ボクの能力は治癒。  死んでいる人を生き返らせることは出来ないがそれ以外ならほとんどの傷を治すことが出来る。  もちろん、切り離された腕をくっつけることも可能。  だが、自分の傷を治すことだけは出来ない。  あと…心の傷も無理だ。  傷が治ったからあとは目覚めて出ていってくれたらいい。  治癒を終わらせて身体が疲れてしまい、ソファに身体を預ける。  この狼がいるから街に出て遊ぶことも出来ないし、最悪だ。  ボクは仕事を終えて夜は街に出ることが好きだ。  そして男と一晩過ごす。  誰か特定の相手は作らない。  一晩だけの関係が楽なのだ。
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