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…目の前にボロボロで転がっている狼。
傷だらけで血も所々出ている。
どうしてボクの家の前なのかと苛つくがここにずっと寝っ転がられていても邪魔だし、このまま死なれても今以上に気分が悪い。
「…ハァ…」
仕方なく狼の身体の下に両手を差し込み抱きかかえようとするが
「…おっもい…!何なのほんと…」
重くてなかなか持ち上がらない。
仕方なく家に引きずり込み、お風呂場に連れて行く。
こんなに汚れていたらベッドにも連れて行けないため汚れを一気に落とすためだ。
桶でお湯を掛けると濁った水が排水溝を流れていく。
一通り汚れを落とすとタオルで水を拭き取り、腰を痛めながらもベッドへ運んだ。
傷に消毒をつけ、包帯を巻く。
ほとんどの場所に傷があったため体中は包帯ぐるぐる巻きだ。
しかも付けたばかりなのにもう包帯に血が滲んできてしまう。
…仕方ない。
ボクは彼に両手をかざし目を瞑って手の平に意識を集中させる。
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