プロローグⅠ

4/4
前へ
/101ページ
次へ
(これはもう無理だ…)蛇口から出る水のようにとめどなく溢れる血を見てサトは自分の人生を諦めた。酷い人生だった。只々繰り返される暴力に耐える毎日…これで終わるのかと思うと少し気が楽になり楽しい気分になった。しかし、そう思った瞬間、激しい怒りと憎しみの感情がサトの全身を覆った。 「殺してやりたい‥‥あいつらを…殺したい…」  誰にも聞こえないような声だが低く響くような声で繰り返し呟いていた。  徐々に意識が遠のく。サトは目にすべての憎しみと怒りを込めて校舎を睨みつけた。
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加