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――善田サト。
食いしばる歯の横からは泡がブクブクしており、瞳孔は顔から飛び出さん位に開いている。あの時のサトの表情そのままだった。自分を呪った恐ろしい顔。
4人は恐怖に体をこわばらせ、一歩もそこから動けなかった。サトは一瞬でひろしと岳人の前に移動した。二人はバタバタと倒れた。倒れた二人の下に血だまりが出来る。京子の甲高い悲鳴が轟いた。正平は図工室を飛び出し、夢中で廊下を走る。
「だ、誰かぁー!助けてぇっぇ!」
正平は力の限り叫んだ。サトが〝怪物゛になり復讐にやって来た!恐怖に足がもつれる。辺りから悲鳴が聞こえる…しかし誰も正平を助けようとはしなかった。
「誰…! か…………」
激しい痛みが背中に突き刺さった。下半身がマヒしたように動かなくなりドサッとその場に倒れ込んだ。ドクドクと大量の血液が背中をつたうのを感じ、徐々に意識が遠のく。助けて、助けて、助けて、助けて…泣きながら命乞いをする正平の視界にあの時と同じサトの怨念の表情が入り込み、そして、プツンと視界に幕が下りた。
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