292人が本棚に入れています
本棚に追加
「早いものね。
あれからもう22年よ。
とっくにパパの歳を追い越しちゃったわ。
……あら、これ美味しいわね。」
母はチョコを食べながら、穏やかに話す。
「あ、そうそう、
明日、祐介くん婚約者を連れてくるって言ってたわ。」
「祐介兄さんに婚約者かぁ。
結婚するんだね、なんだか不思議な感じ」
祐介兄さんは父の兄の子。
私とは従兄弟の関係。
10歳年上の祐介兄さんは、幼い頃よく遊んでくれた。
顔の輪郭がなんとなく父に似ていて、
私は会うとよく父に甘えるようにわがまま言って困らせていた。
最初のコメントを投稿しよう!