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幼い頃、こういう集まりがあると、
必ず私は祐介兄さんにまとわりつくように傍にいた。
そんな遠い記憶を思い出しながら、
加奈子さんを連れ添う祐介兄さんを見ると、
時が経っていくことと、
私をとりまく環境が少しずつ変わっていくことを感じる。
淋しいとも、切ないとも言えないけど、
心の奥に触れるなんとも言えない感情。
ブラザーコンプレックスって、
こんな感じなのかな?
心の中のもう一人の自分は
「何を感傷に浸っているのか」と苦笑いをしていた。
デザートがテーブルに運ばれ、
会食も終わりに近づいた頃、
伯父さんが母のところへ来た。
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