4.雨に消える慟哭

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そのとき、ちょうど女子トイレから出てきた清水さんとその友達が、廊下で棒立ちになっている私の存在に気が付いた。 私の顔を見た瞬間、清水さんの友達の顔が「あっ」と気まずそうに歪み、そうしてふたり同時に口を閉ざす。 清水さん達は、私から不自然に視線をそらして通り過ぎると、ふたりで肩を寄せ合ってコソコソ話し始めた。 「聞こえたかな……?」 「平気でしょ」 聞こえてるよ。 心の中で、ひとりごとみたいにつぶやく。 しばらくそこに立ち尽くしたまま、私は胸のざわつきをなかなか落ち着かせることができなかった。 ぐるぐると胸に渦巻く苦い感情。 今もし誰かに軽く触れられでもしたら、きっと、それだけで泣くと思う。
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