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「おー、起きたか」
私の額の傷に気付いたときの佐尾くんの哀しそうな目を思い出してぼんやりとしていると、従兄弟のトモくんが開いていた寝室のドアからひょこりと顔を出した。
「トモくん、私……」
「何か飲むか? っても、お茶かコーヒーしかないな。お茶でいい?」
「うん……」
すぐにドアの向こうに引っ込んでいってしまったトモくんに向かって、小さく頷く。
しばらくして、トモくんはグラスに麦茶をいれて持って来てくれた。
「いきなり聞き覚えのない名前の男の子から病院に電話がかかってきたかと思ったら、和紗が大変だから助けてくれって言うからびっくりしたよ」
トモくんが麦茶のグラスを私に手渡しながら苦笑いする。
「病院に電話?」
「そう。でも、佐尾くんてショコラを助けてくれた子だったんだな。顔見たらすぐに思い出した」
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