1.雨の中の子猫

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従兄弟の動物病院に子猫を預けてから2週間、佐尾くんは飼い主探しに奔走していた。 できたら友達をあたってみてほしいと、私も何度も頼まれたけど……。生憎私には、拾ってきた子猫の里親をお願いできるほど仲の良い知り合いがいない。 結局、従兄弟と約束した2週間が過ぎても子猫の飼い主は見つからず。落ち込む佐尾くんを連れて再び動物病院を訪れると、事情を知った私の従兄弟が子猫の里親になると申し出てくれた。 「今度あいつに会ったら、写真撮って送ってよ」 別れ際、笑って手を振る佐尾くんに社交辞令的に頷く。 「じゃぁ、また明日」 手を振りながらエントランスの奥へと消える佐尾くんに、私も軽く手を振り返した。
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