フツリアイな相合い傘

１．雨の中の子猫

朝起きたときは、雨の気配なんて感じられないくらい爽やかな青空が広がっていたはずなのに。

昇降口を出た私は、どんより曇った空からしとしとと降る雨を見つめてため息をついた。

午後からの降水確率は30%。微妙なラインだけど、帰宅するまでは大丈夫だろう。そう踏んでいたのに、ついさっきスマホで天気予報を確認したら、30%だった降水確率がいつの間にか70%にまで上がっていた。

詐欺だ、詐欺……。

胸の内で文句を言いつつ、どんなに晴天でも必ずカバンに忍ばせている超軽量の薄桃色の折りたたみ傘に手を伸ばす。

小さくたたまれたそれを雨空に向かって開く寸前、私はあることを思い出してそっと後ろを振り返った。