3.雨上がりの放課後

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もしまだコンビニに瑞穂ちゃんがいて、そこに佐尾くんがやってきたら……。 瑞穂ちゃんは言っていたとおり、佐尾くんに話しかけるのかな。彼氏一筋だと言っていたけど、かつて好きだった人と偶然の再会したら、少しくらいは心が揺れるんじゃないかな。 そんな考えがふつふつと胸に湧き上がってきて、なんとも言えない複雑な気持ちになる。 その想いが顔に出ていたのか、佐尾くんが不思議そうに私のことを見ていた。 「西條さん? どうかした?」 名前を呼ばれてはっとする。 「うぅん、何も……」 急いで首を横に振ったら、佐尾くんが私に向かって手を振った。 「帰り道、気を付けて。また明日ね」 「また、明日」 ゆっくりと手を振り返すと、佐尾くんがにこりと私に微笑みかけてくる。 その笑顔は、彼が背を向けて行ってしまったあとも残像となって、いつまでも私の瞼の裏に焼き付いていた。
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