4.雨に消える慟哭

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「でしょ。だけど何日か前、雨じゃないのに遊ぶの断られたの」 「そりゃ、そういう日もあるんじゃない?」 「知ってるよ。同中の子とバスケする約束してたりとか。でもそういう理由だったら教えてくれるの」 「そーなんだ?」 「そーなの。なのにその日は理由も言わずに、焦るようにそそくさ帰って行っちゃって。気になるからこっそりあとつけたらさ……」 「待って待って。あとつけたの? いくら佐尾くんのこと好きだからって、美帆ちゃんそれストーカー」 「いや、違うって。最後まで聞いてよー」 ぶはっと吹き出して笑う声に、恥ずかしそうな悲鳴が重なる。 盛り上がる彼女達の声を聞きながら、私はただ女子トイレの前で青ざめていた。 美帆ちゃんと呼ばれたその名前で、今話している女子のひとりが清水さんだとわかったから。
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