第1章

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私たちは、神楽の持っている地図を頼りに洋服屋を探す。 それにしても広い。神楽の着物の裾を握っている手を離そうものなら即刻迷子になりそうだ。 私は神楽に続いてエスカレーターに乗る。そのまま3階まで上がり、まっすぐ進む。 「ここですね。……ひーよーさーま?」 「これ全部洋服?」 「えぇ。この中からお好きなものを予算内で選んでください」 にっこりと笑う神楽に突っ込みたい。 どうやって選べばいいのよ! 「さぁ、行きますよ」 そう言って私の手を引いて歩きだした神楽は、とても楽しそうだ。 もう服を吟味し始めている。 「これなんかどうです? とても似合いそうですが」 神楽が私に見せた服は、白と水色のストライプ模様で、肩出しの服だった。肩紐がリボンでとても可愛らしいし、色が涼しげなところがいい。 「下は?」 「ミニのプリーツスカートや、短パンでも良いかもしれませんね」 言いながらお目当ての服を探す神楽。だが言ってるものがどんなものか想像がつかない。 普段袴しか着ないからなぁ……。 というか、神楽はそんな言葉どこで知ったのか疑問だ。
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