第1章

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「これです。どうですか? 一度試着してみますか?」 「そうだね」 神楽が選んでくれた服を持って試着室を探す。 少しうろうろしてやっと見つけた試着室。 ……うろうろしてる間に試着する服がいつの間にか増えているのは不思議だ。 「何かあったら呼んでください」 「うん。ちょっと待っててね」 神楽が選んでくれた服を持って試着室に入りドアを閉める。勿論鍵も閉める。 私は服を棚になっている場所に置き、一着ずつ試着していく。 「神楽~」 試着しては神楽に見せ、試着しては神楽に見せ、を繰り返すこと十数回。 神楽は毎回にこにこして「似合います!」と言ってくれた。 「よし! この5着にする!」 「どれもとてもお似合いでしたよ~! 灯代さまのお可愛いお姿をたくさん見れました!」 うん。神楽が一番幸せそうだ。 私が選んだ服は一番最初に神楽が見せてくれた肩出しのシャツと黒の短パンと青のプリーツスカート。それから薄い水色と白黒ボーダーのタンクトップを1枚ずつ。 タンクトップは前から欲しいなって思ってたんだよね。 「ですが、それだけでよろしいのですか? 予算的にはまだ大丈夫なのでは?」 「そうなんだけど、さっき本屋見つけたから、新しい本買いたいなって」 「そうでしたか。では本屋に行きましょう」
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